<2019年度開講>英語N 第1回・第2回

こんにちは。第1回〜第2回講義の確認をしていきます。

・英語における主要な品詞とその役割

品詞の概念は英語学習の始まりであり、超重要事項です。それぞれの品詞が文の中でどのような役割を果たすのか?を確認し、理解しましょう。例えば、名詞であればS・O・C、形容詞であれば名詞を修飾する限定用法と、補語になる叙述用法等です。

・英語における文の要素 

主語・動詞・目的語・補語のそれぞれの役割を確認しましょう。特に、動詞については自動詞と他動詞の区別等、講義で説明した以外の事項も自分の持っている文法書を使って確認しておくこと。また、修飾語句(Modifier)についてもしっかりと確認しておきましょう。形容詞・副詞・前置詞+名詞は修飾語句(M)となり、文の要素(S・V・O・C)などに原則としてなることはできません。例えば、My happy life began at that house.という文ではMy happy life がS、beganがV、at that houseは全体としてbeganを説明する副詞の役割(どこで幸せな生活が始まったか?ということを説明している)をしているのでMとなります。つまり、ここでの文型はSVの第一文型ということになります。次に、At that house began my happy life.という文の場合、先ほどと同じように、At that houseはMとなり、beganがV、my happy lifeがSということになります。このような文構造を倒置といい、詳しくはp28以降で扱いますが、修飾語句について正しく理解していれば、現段階でも文構造が掴めます。ではこの文はどうでしょう?At that house my happy life began.この文では、At that houseがM、my happy lifeがS、beganがVです。今回は前置詞句が文頭に来ていますが、倒置は発生していません。このように前置詞句で文が始まる場合、その前置詞句がどこまでつづいているのか?を考えることが重要です。

・基本文型

文型の理解は英文を正しく読む際に不可欠です。なぜなら、文型は英文の設計図であり、動詞の意味決定を行うからです。

・第1文型:S+V(+M)

ここでのVは「存在・出現・移動」を表すものが多くきます。そして、第1文型では通常、副詞や前置詞句などMを伴います。例えば、The house stands on a hill. のように、どこに存在しているのか?といった場所を表すMがくる場合が多いです。なので、第1文型はS+Vと覚えるのではなく、S+V+Mと理解しておくのが実用的です。He got to the station.や、He made for the station.という文が「駅に着いた / 進んだ」のように「移動」の意味になるのも、第1文型が使われているからです。

・第2文型:S+V+C

Lesson1で説明したように補語であるCには名詞(代名詞)や形容詞、あるいは名詞に相当する句や節がきます。ここでのVは「状態・変化・知覚・判断(印象)」を表すものが多くきます。そして、S=Cの関係性が成り立つことが特徴です。例えば、All the food went rotten. という文ではgoの過去形であるwentは「行った」という意味になりませんよね。なぜなら、第2文型では動詞は「状態・変化・知覚・判断(印象)」を表し、S=Cの関係性が成り立つからです。ここでは「すべての食べ物がダメになってしまった。」という意味でwentは変化や状態を表していることになります。このように、動詞がどのような意味で使われるかは文型により決定されます。

・第3文型:S+V+O

第3文型はVの力がO(対象物)に及ぶ、というイメージです。ここでのVの意味は様々なので、ひとつひとつの単語の使い方をしっかりと理解・暗記しておくことが重要です。ひとつ例を挙げると、She kept the promise. という文はSVOなので、keepという動詞の力がpromiseに及び、「彼女は約束を守った。」という意味になります。彼女=約束ではないので、SVCにはなりませんよね。一方で、She kept silent. という文ではどうでしょう?この文ではshe=silentという、S=Cの関係性が成り立ち、SVCの文です。したがってここでのkeepの過去形keptは状態を表す意味となり、「彼女は黙っていた。」という意味になります。

・第4文型:S+V+O+O

ここでのVは「授与」を表すものが多くきます。S+V+O(ヒト)+O(モノ)の形で、「O(ヒト)にO(モノ)を与える」という意味を表します。また、deny O1 O2「O1にO2を与えない」といった、「授与」の逆の意味の動詞が来る場合もあります(例文を参照)。そして、第4文型についてあわせて押さえておきたいことは、S+V+O(モノ)+前置詞+O(ヒト)への書き換えです。前置詞は主にtoとforを用います。(askなどofを用いるものも少数あり)その動詞がtoを用いるものなのか、forを用いるものなのかは丸暗記をせずに、前置詞のイメージから理解しましょう。まず、toは「到達」というイメージを持つ前置詞です。つまり、相手(ヒト)にモノが到達していることを観念できる動詞の場合はtoを用います。例えば、giveという動詞では相手にものを渡すわけですから、「到達」が観念できますよね。それゆえに、I gave a watch to him.のようにtoを用いるわけです。一方で、forは「目的(地)」というイメージを持つ前置詞です。つまり、「そっちの方向に向かって行ってる」ということですね。ですから、電車で東京行きの電車はfor Tokyoと表されます。東京駅にはついてないけどそっちに向かっていきますよーという感じですね。ゆえに、「到達」を観念できず、気持ちの上で相手(ヒト)のほうに向かって行ってるような動詞にはforを用います。例えば、buyという動詞は相手のことを思ってモノを買うわけですが、その時点で相手への到達は観念できませんよね。従って、I bought a watch for him. といったようにforを用います。他には、「彼氏に料理を作ってあげた。」のような場合、彼氏のことを考えてそのために作っているのであって、到達は観念できませんよね。なので、cookという動詞もforを用いると判断できるわけです。前置詞は何よりもまず、そのイメージをつかむことが重要です。丸暗記はやめましょう!

・第5文型:S+V+O+C

受験生が一番苦手な第5文型です。しっかりと理解しないまま進むと英文が読めなくなってしまうので、一つの疑問点も残さず理解していきましょう!

★S+V+O+Cの理解その1→ O=Cの関係性が成り立つ

O=Cの関係性が成り立つ場合、「OをCの状態にする」という意味になる「作為」を表すVや、「OがCと分かる・思う」という意味になる「認識」を表すVが多くきます。例えば、I call him Ken.「私は彼をケンと呼ぶ。」という文ではhim=Kenという関係性が成立します。また、I found a job tiring. という文では、a job=tiringという関係性が成り立ちますね。

★S+V+O+Cの理解その2→ OとCにSP関係(主述の関係性)が成り立つ

第5文型を理解する際に、O=Cという関係性を理解しただけでは不十分です。もうひとつの大切な考え方が、OとCの間にSP関係(主語→述語の関係性)が成り立つということです。このときVは主に「使役」・「知覚」・「V+O+to doの形をとるもの」がきます。例えば、I told him to do his homework. という文では、O(him)とC(to do his homework)の間に「彼は宿題をやる」という主語→述語の関係性が成り立ちます。このような場合も第5文型という判断をしていくことになります。次に、特に受験頻出の「使役」と「知覚」の説明をしていきます。

★使役→「OにCさせる」

let+O+C(Cは動詞の原形)で「OにCさせる」という意味になります。例えば、She let her daughter study abroad.「彼女は娘に留学させてやった。」というように「彼女は留学する」という主述の関係性が成り立つので第5文型です。letは「OがCするのを止めない」というニュアンスなので、強制度合いが弱い動詞です。

make+O+C(Cは動詞の原形)で「OにCさせる」という意味になります。使い方はletと同様ですが、makeを使った場合、letよりも強制的なニュアンスを表します。

have+O+Cは入試最頻出です。まず、have+O+V原形の場合「OにCさせる」という通常の使役の意味を取ります。「OがCする状態をhaveする」というニュアンスなのでmakeに比べると中立的なニュアンスを表します。have+O+VingはV原形を使った場合とそこまで意味は異なりませんが、「OがCしているままにさせておく」というように進行中のことを表します。次に、have+O+Vp.p.を使った場合「OがCされる状態をhaveする」というニュアンスを表すことから、「OをCしてもらう」「OをCされる」「OをCしてしまう」といった意味を表します。例えば、I had my hair cut yesterday. という文では、O(my hair)がC(cut)される状態をhaveした→「髪を切ってもらった」という意味になり、かつOとCに主述の関係性が成り立ちます。また、He had his house broken. という文では、O(his house)がC(broken)される状態をhaveした→「家を壊された」という意味になり、He had his homework finished. という文では、O(his homework)がC(finished)される状態をhaveした→「宿題を終わらせてしまった」という意味になります。要は、訳を丸暗記するのではなく、第5文型の基本であるOとCのSP関係を理解した上で、イメージをとらえればよいということです。尚、letやmakeは原則としてCがVingやVp.p.になる用法はほとんどないので注意しましょう。

get+O+Cについては、使役動詞であるlet、make、haveと若干使い方が異なり、使役の意味を表す場合、get+O+to Vの形をとります。例えば、I got him to go there.「私は彼をそこに行かせた。」という文では、O(him)がC(to go)するという主述の関係性が成り立ちます。get+O+Vp.p.の場合は、「OがCされる状態をgetする」というニュアンスでhave+O+Vp.p.と同じ使い方をすると考えてもらって構いません。CがV原形にならないことに注意しましょう。

★知覚→「OがCする(している)(されている)のを見る・聞く・感じる」

知覚V+O+Cで「OがCする(している)(されている)のを見る・聞く・感じる」という意味を表します。ここでもOとCにSP関係が成り立つわけです。知覚動詞とは、see、watch、hear、smellなどの五感を使った動詞です。CにくるのはV原形・Ving・Vp.p.です。動作の始めから終わりまでを知覚するという場合は、CはV原形を用います。例えば、I saw him enter the building.「彼がその建物の中に入るのを見た。」というような形で用います。次に、どうさの真っ最中の一時点を知覚する場合は、CはVingを用います。例えば、I saw him walking across the road.「彼がその道を横切っているところを見た。」というような使い方です。最後に、OがCされるのを知覚する場合は、CはVp.p.を用います。例えば、I saw old houses pulled down one after another.「古い家が次々に取り壊されるのを見た。」というような形です。

★help+O+C

helpは「OがCするのを助ける」という意味で、CにV原形をとることができます。ただし、helpは、help+O+to Vの形をとることもできるので注意しましょう。

・句動詞

さて、ここまで基本文型について学習してきましたが、動詞の中には文型を考えて理解するよりも、カタチで捉えてしまったほうがよいものが存在します。それらを句動詞といい、大学入試の空所補充問題においても頻出です。例えば、devote A to B「AをBに捧げる」、deprive A of B「AからBを奪う」、provide A with B「AにBを与える」、remind A of B「AにBを思い出させる」のようなものです。これらの句動詞はいくつもあるので、出てくるたびに前置詞などとセットで覚えてしまうほうが便利です。

Lesson1、品詞と文型についての説明は以上です。文型をマスターすることは不可欠ですが、あくまでも文型は英文を正確に読むためのツールであり、SVOCをふることがだけが目標になってしまうことのないようにお願いします。これからは自分で英文を読むときにも、Lesson1の品詞や今回の文型をかならず意識してください。慣れるまでは英文に書き込みをするこをおすすめします。また、講義で紹介した例文だけでなく、参考書等に載っている例文も参照して、使いこなせるようにしておくことをお勧めします。次回は受動態と節・句構造について扱うので、各自該当箇所の参考書を熟読するなど、確認をしてきてください。では、また来週の講義でお会いしましょう。

(Y)our Learning Methods

担当講座の大学受験英語・民間英語試験に関する学習法を提供