〈2019年度開講〉英語N復習ページについて

こんにちは。このサイトでは主に講義内容の復習や予習指示・事務連絡を行なっていきます。さて、まずは第1回のガイダンスの内容について、後半クラスは十分に説明ができなかったので補足説明をしていきます。ガイダンスは一言で言えば、どのような英語学習をしていけば英語力を向上させ、志望大学に合格できるかという内容です。

・大学入試英語で求められている力

 基礎の徹底→それを土台とした応用的思考

講義でも紹介した通り、まずは基礎力を徹底的につけるところがスタートです。いかに難関大といえども、基礎に立脚して思考する問題がほとんどです。マニアックな知識や怪しげなテクニックに頼るのではなく、基礎的な語彙・文法・構造理解を習得していくことが第一の目標です。

・英語の基礎力とは?

①語彙力(単語・熟語)

テキストP.48を参考に反復学習を繰り返してください。講義では主に単語を覚える際の工夫を紹介しました。例えば、「depend」という単語を見たとき、この単語は二つのパーツに分けることができます。すなわち、「de / pend」となります。「de」というパーツは「下に」という意味を表します。「decrease:減る」という単語からもイメージできるかと思います。次に、「pend」は「下げる・垂れる」という意味を表します。例えば、「pendant:ペンダント」は首から下げるものですし、「suspender:サスペンダー」は肩から下げるものですよね。つまり、「depend」という単語は、「下にぶら下がっている」となり、「〜に頼る / 〜に依存する / 〜に左右される」という意味になるのです。あるものの下にぶら下がっているものはまさに、上のものに頼っており、依存しており、上のものがなくなれば下に落ちてしまうという点で、上のものに左右されますよね。また、「independent」という単語は、「in」が否定の意味を表すので、「何かにぶら下がっていない状態」→「独立している」という意味になります。単語を覚える際にこのような視点をもっていれば、単語が覚えやすくく忘れにくくなり、仲間の単語も芋づる式に覚えることができます。また、未知語の類推の際にも役立ちます。ただ、このような方法はある程度の語彙力が前提となるので、まずは単語帳でしっかりと単語を覚えておきましょう。語源の知識は辞書の原義の欄で確認できるほか、講義でも紹介していく予定です。

②文法力

文法は英語を「聴く・読む・話す・書く」すべての土台となるものです。そのため、英文法を文法問題を解くためだけのツールとして覚えてしまうのは非常に危険です。「聴く・読む・話す・書く」に活用できる形で身につけなければいけません(もっとも、現在の入試では、読む・書くが中心なので、まずは読み書きに活かせる英文法を意識しましょう)。英文法を読み書きに活かすためには、「理解」→「暗記」→「使用」という一連の流れが重要です。文法は文を構築するためのルールです。つまり、いきなり丸暗記するのではなく、まずは仕組みや原理を理解して納得することが重要です。講義では次の問題を例にこの点について説明しました。

 問:次の文の空欄に入れるのに最も適当なものを、下の①〜④のうちから一つ選べ。

 You’ve got (    ) on your tie. Did you have fried eggs for breakfast?

  ①a few eggs  ②an egg  ③some egg  ④some eggs

この問題はセンター試験で出題された有名な問題で、「卵」=可算名詞と何も考えないで解くと間違えます。答えは③のsome eggであり、ここでは「egg」を不可算名詞的に用いています。ここでは、不可算名詞とは何か?ということをしっかりと理解しているかが試されています。不可算名詞とは「具体的なカタチがイメージできない名詞」です。「beauty / importance / advice」などの抽象的なものや、「water / paper / bread / soap」などの物質的なもの、「furniture / baggage / money」のような集合的なものがありますが、これらの名詞に共通することは、これといった一つのイメージを描けないことにあります。また、通常は可算名詞として使うものでも、話者がその名詞を具体的なカタチをイメージせずに使っていれば、不可算名詞的に使うことも可能です。例えば、「りんご:an apple」は通常は可算名詞ですが、切ってサラダにいれるためのりんごや、すりおろしのりんごは具体的なカタチをえがけないので、不可算名詞的に用います。「I like dog.」といったら、犬を具体的なカタチをイメージせず(物質的に)使っているため、「犬肉が好きだ。」という意味になるわけです。また、「(学生が)学校に行く。」という場面では、「go to the school」ではなく、「go to school」と言います。なぜなら、学校という建物それ自体をイメージしているのではなく、「学校に授業を受けに行く」というイメージで用いているからです。このように考えれば、先ほどの問題で、「ネクタイに卵がついている」という状況は、「卵のたべかすがついている」といったイメージであると考えられるので、具体的なカタチをもたず、不可算名詞的につかっているというわけです。可算名詞としてつかったら卵が丸々一個ぶら下がっていることになってしまいます。このように、文法は丸暗記ではなく仕組みの理解を第一に行うべきです。

しかし、理解だけして分かった気になっても、それを「暗記」しないことには使い物になりません。いきなり丸暗記することはダメですが、理解をした後に暗記をしないのもダメです。理解→暗記のバランスがとても重要だということです。さらに、暗記した文法事項を例文等を利用して「使用」していくことで、磨きをかけていきましょう。講義の予習では、各自が持っている文法参考書を熟読することで、できるだけ理解しようとすると良いでしょう。そこで理解できなかった疑問点を講義ではしっかりと解決していきます。

*文法の四択問題集について

文法の四択問題などの問題集はある程度文法を習得した後の確認用です。理解・暗記を伴わずにいきなり問題集をやっても意味がありません。まずは講義や参考書を中心にインプットを行った後に問題集でアウトプットをしましょう。さらに、問題集を解くときには個々の選択肢がなぜ正解になり、それ以外が不正解なのかということを説明できるようにすることが重要です。正解不正解だけを気にしてひたすら問題数を重ねても無駄な努力に終わってしまいます。正答に至るまでのプロセスを人に説明できるように心がけて解きましょう。

③精読(文構造理解・英文解釈)について

上記の語彙力と文法力を駆使して、英文の構造を正確に把握し、一文一文を精密に読解する力が必要不可欠です。この時期からいきなり長文を解こうとしても、あまり効果的ではありません。なぜなら、長文はたくさんの文の集合体であるため、一文一文が正確に読めなければ全く内容がつかめないからです。例えば、「The old train the dog in this village.」という文について、単語はどれも知っていると思いますが、文の構造が掴めなければ意味がわかりませんよね。この文の構造は、S:The old、V:train、O:the dog、M:in this villageで、「老人がこの村で犬を訓練している。」という意味になります。一学期の講義では、長文読解に入る前に、①と②で説明した語彙と文法を駆使し、一文を精読するための訓練を行っていく予定です。

*英語基礎力の完成時期

講義でも説明した通り、上記①〜③の基礎力は、夏休み中(8月いっぱい)までの完成を目指して勉強していきましょう。

・基礎力を土台とした次なるステージ

難関大の入試問題では、基礎を土台とした論理的思考力が求められます。「論理」とは、文と文とのつながりのことで、いわゆる「文脈」と呼ばれるものです。例えば、「The police shot the man with a gun.」という文を考えてみましょう。この文は「with a gun」の部分を形容詞句と捉え、名詞「the man」にかかっていると考えると、「警察官は銃を持っている男を撃った。」という意味になります。一方、「with a gun」を副詞句と捉え、動詞「shot」にかかっていると考えると、「警察官は銃で男を撃った。」という意味になります。どちらの文も文法的に正しく、2通りの解釈ができるわけです。どちらの意味になるかは前後の文のつながりが決定することです。このように、一文を語彙と文法力をもとの読解した上で、文と文とのつながり、「論理」についても学んでいく必要があります。こういった論理的思考力は基礎力を前提としたものですから、講義では夏以降に扱っていく予定です。

・最後に

ガイダンスの内容は以上です。英語学習は正しい方法で行えば、誰でも実力がつきます。上記のことを意識し、正しい方向性の努力をしていきましょう。次回以降は、読解のための文法事項について解説していきます。いずれも超重要事項などのしっかりと理解していってください。英語が苦手という人はやり直すチャンスであり、また、英語が得意な人にとっても基礎の重要性を再認識して、さらなる実力アップに結びつく内容です。それでは、これから入試までの間一緒に頑張っていきましょう!

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