<2019年度開講>英語N 第6回
第6講は関係副詞の続きからです。前回の講義で説明した「穴埋め関係」が理解の際に重要となります。
・先行詞が「場所」を表す語
関係副詞はwhereを用います。ただし、case、situation、circumstanceなど「場面・状況」のような語に対してもwhereを用いる点に注意しましょう。
・先行詞が「時」を表す語
関係副詞はwhenを用います。例えば、Do you remember the day when we first met? という文での穴を補うと、when we first met (on〜)となり、副詞として働く前置詞句が穴埋め関係となります。
・先行詞が「reason」
関係副詞はwhyを用います。例えば、He didn’t give a reason why he did not agree with us. という文での穴を補うと、why he did not agree with us (for〜)となり、副詞として働く前置詞句が穴埋め関係となります。気をつけなければいけないのは、前回の講義で関係副詞のwhereを説明した時と同様に、どの関係詞や関係副詞を用いるのかは先行詞だけでなく、その穴埋め関係により決定されます。従って、reasonが先行詞であっても、関係副詞whyを用いない場合もあるのです。例えば、He couldn’t pass the exam because he didn’t study hard. This is the reason that he didn’t tell his mother. という文での穴を補うと、that he didn’t tell his mother (the reason) となり、目的語となる名詞が穴埋め関係となっています。従って、この場合は関係副詞ではなく、関係代名詞を用いることになります。
・this is why〜「こういうわけで〜」/ this is how〜「このようにして〜」
イディオム的な表現です。this is the reason why〜 の the reasonが省略されたり、this is the way how〜の the way が省略されてできた表現でしょう。これに関連して、「〜のやり方」という表現については、the way (that) S+V〜 あるいは、the way in which S+V〜のカタチを用います。the way how S+V〜という表現は間違いなので注意しましょう。
・関係副詞のthat
制限用法の場合、関係副詞のwhereやwhenは、thatに置き換えられます。
・関係副詞の先行詞の省略→テキスト説明参照。
★関係形容詞→テキスト説明参照。
★その他の関係代名詞→asについては後述、thanとbutはテキスト説明参照。
★関係詞の省略
①先行詞の直後がS+V〜で始まる場合、先行詞を省略できます。例えば、He is the person I met yesterday. のような目的格関係代名詞の場合はもちろん、The man I thought was honest deceived me. のような主格関係代名詞や関係副詞の場合も、先行詞の後ろがS+Vで始まっていさえすれば、関係詞の省略が可能です。ただし、後述する非制限用法の場合は関係詞の省略はできません。省略が可能な場合、実際にネイティヴが使用する場面では関係詞は多くの場面で省略されます。②There is〜構文の場合、③強調構文の that / who / which 省略、の3つが関係詞が省略可能な主な場面です。
★関係詞の非制限用法
先行詞にwh節が修飾を加え、絞り込みを行うのが「制限用法」(文法書によっては限定用法と呼ばれる場合もある)です。例えば、This is the book which I bought yesterday. という文では、wh節が他のどの本でもなく、「私が買ってきた」本、というように本を修飾することで、どのような本なのか絞り込みを行っていますね。一方で、先行詞にwh節が補足説明(追加情報)を加えるのが「非制限用法」(文法書によっては継続用法と呼ばれる場合もある)です。例えば、I bought this book, which is interesting. という文では、私はこの本を買った→そして、この本は面白かった。というように先行詞である this book に追加情報を加えています。非制限用法は関係詞の前に必ずカンマを置き、関係詞の省略もできません。非制限用法の読解は、文を左から右へと「先行詞」→「それが〜/そして〜」のように読んでいくことが重要です。例文で確認しましょう。Children who learn quickly should start to learn English at their early ages. という文では関係詞は制限用法で、whoの節が「学ぶのが早い」子供は〜というように Childrenを絞り込んでいます。つまり、この文の意味は、「学ぶのが早い子供は早くから英語を勉強し始めるべきだ。」となり、英語を早くから学ぶべきなのは、学ぶのが早い子だけに限られた話ということになります。一方で、これを非制限用法で書いた 、Children, who learn quickly should start to learn English at their early ages. という文では、Children にwhoの節が追加情報を加えて「子供は」→「学ぶのが早い」従って、英語を早くから勉強すべきだ。という意味になり、英語を早くから学ぶべきなのは、子供全般についての話だということになります。さて、ここまでは先行詞となる「名詞」について追加情報を行う非制限用法を見てきましたが、非制限用法には「前文」が先行詞となる用法もあります。文に補足説明を加えているので、副詞節を作る用法だということがすぐにわかりますね。例えば、I said nothing to her, which made her angry, という文では、「私は彼女に何も言わなかった」→「(そしてそのことが)彼女を怒らせた。」というように、先行詞が前文の内容全体ということになります。このように、非制限用法は意味を大きく左右するものなので、読解上も作文上も重要です。しっかりとマスターしましょう。
・ A of which〜 / A of whom〜
関係代名詞の非制限用法を、慣用的にこのようなカタチで使う場合があります。Aの位置には、all / many / either / both ...など様々なものがきます。例えば、This book, most of which I have already read, is interesting.「この本は、ほとんどもう読んだんだけど、面白いよ。」などのように使用します。文法問題でも頻出のカタチなので覚えておきましょう。
★二重限定
1つの先行詞をwh節等が連続して二重に修飾する用法を二重限定と言います。例えば、You are the only person that I’ve ever met who could do it.「あなたは今まで私が会った中で、それができた唯一の人だ。」という文では、thatの節もwhoの節も両方が先行詞である the only personを修飾しています。二重限定では、1つ目の節により広い修飾範囲、2つ目の節により狭い修飾範囲となる場合が多いです。
★複合関係詞(疑問詞ever)
難しい分類にこだわるよりも、節の役割とその意味から考えていきましょう!
①who(m)ever / whichever / whatever
この3つは名詞節・副詞節を作ります。名詞節を作る場合、先行詞は不要でS・O・Cとなります。副詞節を作る場合は「〜だろうとも」という譲歩の意味を表し、接続詞的に作用します。譲歩を表す副詞節をつ来る時は、no matter 疑問詞〜のカタチに書き換えが可能です。
e.g.) I believe whatever he says.[名詞節(O)]
Whatever you may say, I believe him.[副詞節(接続詞)]
=No matter what you may say〜「あなたがなんと言おうとも〜」
②whenever / wherever / however
この3つは副詞節のみを作ります。接続詞的に作用し、「〜だろうとも」という譲歩の意味を表す場合は、no matter 疑問詞〜のカタチに書き換えが可能です。その他に、wheneverは「〜するときはいつでも」という「時」を表す接続詞的、whereverは「〜するところならどこでも」という「場所」を表す接続詞的に用いることも可能です。
e.g.) Wherever you go, I will follow you.
=No matter where you go〜「あなたがどこにいこうとも〜」
howeverを用いる場合は、however+形容詞 / 副詞+S+V〜というカタチとなり、語順に注意する必要があります。
e.g.) However hard you may try, you cannot persuade him.
=No matter how hard you may try〜「あなたがどんなに一生懸命試みようとも〜」
③whichever+名詞 / whatever+名詞
この2つは名詞節・副詞節を作ります。この使い方は①の使い方とほぼ同様で、whicheverやwhateverの直後に名詞を添えることで、それをより明確化したものです。
e.g.) Take whatever book you like.[名詞節(O)]
①の使い方で、Take whatever you like. 「あなたの好きなものならなんでも〜」という文と似ていますが、今回の文では「あなたの好きな"本”ならなんでも」というように、①よりも範囲を明確化しています。
★疑問詞whichとwhatの使い分け
which〜「どの〜/どちらの〜」とwhat「何の〜」は使い分けが必要です。whichというと、「どちらの〜」の意味しかないと思っている人が多くいますが、「どの〜」という意味でも用いることができます。この場合にwhatとの使い分けが必要です。whichを用いるのは、選択する範囲が限定されていて、対象が明確な場合です。例えば、「どの季節が好きですか?」という文では、Which season do you like? とするのが適当です。なぜなら、季節は春・夏・秋・冬という限定された明確な範囲・対象から好きなものを選ぶという状況だからです。複合関係詞(疑問詞ever)の場合でも、whicheverとwhateverの使い分けはこのような基準で考えるようにしてください。
さて、関係詞の説明は以上で終了です。尚、今回の講義をもってカタマリ(句・節構造)については全て扱いましたので、16ページの句と節の表については自分できちんと説明出来るようにしておいてください。品詞・文型・句節構造について理解が曖昧なままでは英語はいつまでたってもできるようにはなりません。確実に6月中にはこれらをマスターするようにしてください。次回は比較の説明に入っていきます。特に、notやnoを使った比較表現や最上級相当表現について多く時間を割いて説明をするので、各自文法書等で予習に取り組んでください。
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