夏にオススメ!英文解釈参考書


日々、「大丈夫か地球?」というくらいの猛暑が続いていますが、勉強のほうは捗っていますか?今回は、現役生にとって普段より自由な時間が多くとれる夏休みを有意義に活用し、秋以降に役立てるためのオススメの英文解釈参考書をレベル別にご紹介します。

その前に....

みなさんは現段階で、英語の基礎体力を作れていますか?

英語の基礎体力とは、何度も言っているように、①語彙(単語・イディオム)、②文法(理解→暗記)、そして、③精読(文構造理解・英文解釈)です。夏休みは、この英語の基礎体力を完成させる最適な期間であると同時に、最後の期間でもあります。秋以降はその基礎力を土台に、長文読解が中心となっていくからです。語彙の暗記については、基本単語集と自分で作成した語彙リストの完全暗記を行うこと。秋以降もオリジナルの語彙リストには新たに出会った語彙・表現はどんどんストックし覚えていきます!文法については、ただ四択問題を解くためだけの「使えない丸暗記文法」になっていませんか?文法は文を作るためのルールです。まずはしっかりと原理・仕組みの理解を行い、その後必要な表現等については暗記してしまいます。四択問題は解けるけど、作文や整序問題は、、、という人は間違った文法学習を行ってしまっているかもしれません。文法の仕組みを理解し使えるようになるとは、実際に自分で文を作ることができることを言います。例文を元に自分で文を作ってみたり、実際に作文を書いてみたり等、もう一度しっかりと、理解の漏れがないかを確認しましょう。決して文法問題を解くことだけが目的になってしまってはいけません。一学期の英文読解テキスト・ノートの復習も怠りなく!最後に、今回ご紹介する精読(文構造理解・英文解釈)について。一学期の英文読解の授業の中心でもあった文構造理解ですが、長文に入る前段階として、一文を「解剖」し、正確に掴む精読に磨きをかけるのが夏の最大の命題です。なんとなく英文を読むのは禁止!しっかりと、品詞や文型、節や句などのカタマリ等をつかみ、英文を精密に読む鍛錬を行ってください。では、そのためのオススメ参考書を紹介していきます。レベル別に紹介していくので、現段階の自分の実力に見合ったものを取捨選択してください。しっかりと自学できなければ意味がありません。背伸びするよりも、現段階で自力である程度はなんとか解けるものを選びましょう。どれが自分に最適なのかわからない人は直接相談してください。紹介する参考書は基本的に、夏休みの1ヶ月間で仕上げるつもりで、ダラダラやらず一気に完成させましょう!何冊もやる必要はないです。自分に見合ったものを選んでください。


レベル①「単語はなんとか覚えてはいるものの、文になると読めない、、、文構造ってよくわからん。。ましてや長文なんて全然読めんわ。」あるいは、「長文を読む前に基礎の確認をしっかりとしておきたい!」という人向け

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『英文読解入門基本はここだ!』西きょうじ著(代々木ライブラリー)

 オススメ度:★★★★★

【内容】品詞や基本文型の説明に始まり、倒置や比較構文等難解な内容まで英文解釈のイロハを一から学べる良書で、英語が苦手な人や基礎の確認をしっかりとしておきたい人に最適。また、コンパクトで本の分厚さも薄いのに、内容が充実し、短期間で取り組みやすいです。基礎の勉強がそこそこ進んでいる人も②の教材に行く前にザッとやっておいても効果絶大。


レベル②「単語も覚えたし、文法もある程度やった。長文を読む前段階として精読を夏の間に磨いておきたい!」という人向け。(河合塾模試偏差値45〜65程度)

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『入門英文問題精講(4訂版)』竹岡広信著(旺文社)

 オススメ度:★★★★★

【内容】7月に出版されたばかりの『入門英文問題精講』の4訂版です。すでに一つ前の版を購入して始めている人は、今持っているものを使用して問題ありません。基礎レベルから精読の「イロハ」を学んでいける良書です。様々なレベルに対応しているので、英語が苦手な人から得意な人まで取り組めると思います。


レベル③「単語も文法も文構造理解も、ぶっちゃけ自分はそこそこ英語ができると思ってるけど、、早慶・難関国立などの難しい英文になるとちょっと自信がないかも、、、』という人向け。(河合塾模試偏差値60〜65以上程度)

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『ポレポレ英文読解プロセス50』西きょうじ著(代々木ライブラリー)

 オススメ度:★★★★★

【内容】受験界で名前を知らない人はいない!?言わずと知れた超名著。かわいい表紙とは裏腹に、掲載されている問題のレベルはかなり高いです。基礎ができてないのにやっても撃沈します。ライオンマークがついている問題はトラウマになります。現段階で基礎がある程度完成出来ている人(一通りの単語・文法学習が済んでおり、河合塾の模試で偏差値60〜65以上レベル)や早慶・東大京大等の難関大学志望者に最適です。この参考書は内容が非常にコンパクトにかつ、重要な要素がつめこまれており、読み通す頃にはかなりの精読力がつきます。私自信、受験時代ポレポレについては本当にボロボロになるくらいまで使い込んだポレポリストのうちの1人です。思い入れのある参考書ですね。


レベル④「英語の基礎はほとんどマスターした、どんなに複雑な英文であってもその内容を正確に読み解ける精読力を鍛えたい(京大など最高難易度の和訳問題に挑みたい)』という人向け。(河合塾偏差値65〜70以上程度 / 英検準1級レベル)

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『英文解釈教室(新装版)』伊藤和夫著(研究社)

 オススメ度:★★★★☆

【内容】予備校業界でその名を知らないものはいない、受験英語の神様こと故伊藤和夫先生による伝統の一冊です。掲載されている英文、明晰な解説は英文の構造を読み解くうえでどれも素晴らしいものです。この参考書をマスターすれば、受験レベルであればかなり複雑な文でも正確に読むことができます。ただ、内容自体が高度なことや前述した参考書に比べると、ボリュームがかなりあるので、基礎が完成していてかつ覚悟を持って取り組まないと確実に挫折し、意味ありません。かくいう私も高校二年生の夏休みにイキって購入し、即挫折。埃をかぶって一時放置されましたが、単語・文法・文構造理解の基礎力やポレポレ等を一通り完成させた、三年生時にリベンジを果たしました。教えるようになってからもこの参考書はかなり読み込み、お世話になっています。


レベル⑤「多くの市販受験参考書のレベルじゃ物足りない、英語の精読では向かう所敵なしになりたい、オレ英語めちゃできるし」という人向け。(河合塾偏差値75以上程度)

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『思考訓練の場としての英文解釈』多田正行著(育文社)

 オススメ度:★★★☆☆

【内容】受験参考書としては最高難度の英文解釈の参考書。英文解釈教室のレベルが余裕に読み解けるくらいではないとやりきるのは難しい。ちなみに、私が受験生の頃はこの参考書を学習する時間的余裕もレベルもなかったためやりませんでした(笑)受験が終わった後にちょっとずつやりましたが、難しい、、、けどやりがいのある名著です。あくまでこの参考書はオマケ的に紹介しただけなので、ふつう現役生がこの参考書をやることは現実的に難しいかと思います。あまり気にしないでください(笑)


いかがでしたか?以上が、夏の間にやっておくべきオススメの英文解釈参考書です。自分のレベルに見合ったものをしっかりと夏の間に完成させ文構造理解力に磨きをかけましょう!通常、早慶・難関国公立(京大を除く)くらいまでの現役生であれば、『入門英文問題精講』をやったのち、ポレポレのレベルをしっかりと読み解けるくらいで十分ではないかと個人的には思います。基礎を大事に確認したい人やMARCH志望の人は、『基本はここだ!』からザッと始め、『入門英文問題精講』を夏の間に終わらせることがオススメです。もう少し詳細なアドバイスが欲しい人は、遠慮せず相談に来てくださいね。添削にも応じますよ!どの参考書についても、英文のコピーを取り、それに文構造を書き込んで辞書を用いながら和訳をし、解説を読み進めるという方法で構いません。復習については白紙の英文を用いるとよいでしょう。秋以降の長文読解で飛躍する基礎を作れるかどうかはこの夏休みにかかっています!規則正しいリズムで夏休みをすごし、生産的な毎日にしましょう。一日一日をやりきることが最終的な成功へとつながります。詳しくは、これからの夏期講習でも伝えていきます。それでは、暑い夏を乗り越えがんばっていきましょう!

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