ハイレベル英文読解③

Lesson3では節の説明と、文構造理解の基本手順を説明しました。復習に入っていきましょう。アップロードが遅くなり、申し訳ありません。

・節の種類

名詞節・形容詞節・副詞節、それぞれの役割と節の範囲を考えることが重要です。節を作ることができるのは接続詞(従位接続詞)、関係詞、疑問詞、疑問詞everです。まずは接続詞の説明からしていきます。

★接続詞(従位接続詞)

等位接続詞は次の項目で詳しく扱うので、ここでは節を作る従位接続詞について説明します。従位接続詞は、《接S+V》が主節に対する+αの説明をになっているイメージです。従位接続詞は基本的には、副詞節を作ります。例えば、I cried because I was moved. 「私は感動したので泣いた。」という文では、because I was movedという節(従属節)が動詞criedを説明する副詞節となっています。この文でいう主節は、I criedです。このように、ほとんどの接続詞は副詞節を作ると考えておいて問題ないですが、中には例外があります。その例外が、thatとwhetherとifです。これらの接続詞は副詞節だけでなく、名詞節も作ることができます。例えば、I think that he is wise. という文では、that he is wiseという節が名詞節となりthinkのOになっています。また、That he can speak English is true. のように、名詞節を作るthatがSになる用法もあります(比較的フォーマルな表現)。もちろん、名詞節なのでCになることもできますね。次に、whetherとifは「〜かどうか」という意味で名詞節を作ります。例えば、I don’t know if he will come.(I don’t know whether he will come. でも同義)という文では、ifやwhetherは名詞節を作り、don’t knowのOになっています。ここで気をつけたいのは、whetherの場合は、Whether he will come is in the lap of the Gods.「彼が来るかどうかは神のみぞ知る。」のようにSの位置に置くことができますが、IfはSの位置では使えないということです。細かい知識ですが押さえておきましょう。ここで、受験生なら誰もが知っている「時や条件を表す副詞節の中では未来のことは現在形で表す」という時制のルールに関係したお話をします。時や条件を表す副詞節はifやwhenなどが代表的なものですが、ifが出てきたら未来のことでも現在形!などのように思考停止になるのではく、節の役割を考えましょう。あくまでも、「副詞節」の場合に未来のことを現在形で表すのであり、それ以外の節(名詞節・形容詞節)の場合は未来時制を用いるということになります。例えば、We’ll have dinner if he comes.「彼が帰ってきたら我々は夕食をとる。」という文でifの節は、have dinnerを修飾する副詞節です。従って、未来のことでも現在形を用い、if節の中の動詞はcomesとなっています。一方で、I don’t know if he will come.「彼が来るかどうかわからない。」という文でifの節はdon’t knowのOとなっており、名詞節を作っているので、if節で未来時制を用いても問題ありません。when節の場合も同様に、I don’t know when he will come.(when節は名詞節)や、関係副詞のwhen(when節は形容詞節)の内部では未来時制を用いてもよいということになります。このように、節の役割を考えることが重要です。

・従位接続詞出現パターン  

①《接S+V〜, 》 ー(接続詞を前置きする場合はカンマが必要)   

② ー《接S+V》(接続詞を後ろに置く場合はカンマ不要) 

③ 〜, 《接S+V》, ー(挿入の形)

★関係詞

次に、節をつくるものとして関係詞が挙げられます。関係詞はp14以降で詳しく扱うので、現段階ではざっくりとした理解で大丈夫です。関係詞は先行詞(名詞)をwh節が後ろから修飾するので関係代名詞であれ、関係副詞であれ、原則として形容詞節を作ります。一部例外として、関係代名詞のwhatが名詞節を作ったり、非制限用法の一部に副詞節を作る用法がありますが、今のところは関係詞=形容詞節を作る、と理解しておいてください。

★疑問詞

疑問詞が作る節は名詞節のみです。いわゆる間接疑問文と呼ばれる形(疑問詞+S+V)のことです。例えば、I know where he went. という文では、whereの節がknowのOとなっていますね。

★疑問詞ever

いわゆる複合関係詞と呼ばれるもので、名詞節をつくるものと副詞節をつくるものとがありますが、詳しくはp17で扱います。

・構文読解(文構造理解)のポイント

さて、これまで文構造理解を行う基礎的な知識について説明してきました。今までの内容を完全に理解すれば、辞書を用いて時間をかければ英文がなんとか読解できる、というレベルには行き着くはずです。その際のポイントをまとめていきます。これから自分で英文を読解するときも必ず手を動かして、以下のことを考えながら行うようにしてください。

①品詞・文型を意識→主語と動詞をつかむ(p10〜12)

②節や句の範囲・役割を捉える→カタマリはカッコでくくりだす(p10~12)

③等位接続詞があれば、その並列関係を考える(p13)

④挿入があればカッコでくくりだす(p13)

★等位接続詞について

等位接続詞(and、or、but)は、〜接ーとあった場合に、〜とーに同等・構造上同じ役割のものを並列します。その等位接続詞が何と何をつないでいるのか?左右のバランスを見てやることが重要です。例えば、My cat is on the chair or under the desk. という文では、等位接続詞andが、on the chairとunder the deskという副詞の役割をする前置詞句同士をつないでいます。また、He worked all day long and because of the tiredness felt ill. という文では、等位接続詞andは、workedとfeltという動詞同士をつないでいます。このように、等位接続詞は同等のものを並列していくので、英文を正確に読解するためには、等位接続詞が現れたら、何と何をつないでいるのか?を考えることが必要です。

★挿入について

挿入とは文字どおり、文の中になんらかの語が入り込んでいるものです。副詞など一語が挿入される場合もあれば、節が挿入される場合もありますが、挿入のルールは、カンマから始まってカンマで終わる、ということです。そのカンマからカンマまでをカッコでくくってしまい、とりあえず無視してみると、英文の構造が見えてきます。例えば、I had imagined, what most pacifists contended, that wars were forced upon a reluctant people by despotic government. という文では、カンマからカンマまでをカッコでくくって処理してみると、I had imagined that〜という文の骨格が見えてきます。挿入部分はその後、後付けで訳出しておけば問題ありません。

以上で、これまで3回にわたって行ってきた文構造理解の基本説明は終了です。本講義を通じて英文をなんとなく読解することから脱却し、緻密に英文を読解することの重要性を理解していただけたことかと思います。普段の学習でも、実際に手を動かして文構造を取り、正確に読む練習を必ず行うようにしてください。次回以降の講義では、文法問題を「解く」ための英文法ではなく、英文を「読む」ために必要な文法事項をひとつひとつ説明するとともに、長文読解問題の基礎となる、英文を正確に読解する力に磨きをかけていきたいと思います。次回講義は特に予習は必要ありませんが、関係詞について説明をする予定なので、理解が曖昧な生徒は文法書等で該当箇所を読み込み、理解してきてください。これまで3回の講義は復習命です、ひとつの疑問点も残さないようにしっかりと復習をお願いします。ここのところ、いきなり暑い日が続き、夏のような気候ですが、気づいたらすぐ夏休み、夏期講習、秋、冬の直前期と時はとてつもない速さで経過していきます。入試本番はまだまだ先と油断していると、本当にあっという間です。1日1日を大切に、その日の努力の積み重ねが未来を大きく変えます。そうした平凡な1日の繰り返しの中でしか、非凡な結果は生まれません。がんばっていきましょう!

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